2016年7月8日(金)
「キャリアに関する問題解決実践型授業を見学して」
本学の医学教育センター 中川幹子先生の担当で7月8日に開催された「健康科学概論」のグループ討論の発表会の中で、キャリア教育の部分について見学してきました。
医学部 医学科・看護学科の1年生を対象とした合同授業で、合計160名くらいの大人数で講義室は一杯でした。講義は、発表も学生、なんと司会進行も、そして発表に対するコメントもすべて学生のみで行われていました。しかも、先日行われたグループ討論の方法には、KJ法と二次元展開法が用いられていました。
テーマは2つあり、その1つが、「医療人として男女ともにキャリアを継続するためには何が必要か」という、18ー20歳ぐらいの学生が考えるには想像力や社会的な知識を必要とする難しいテーマでした。しかし、既に「健康科学概論」の授業の中で、男女共同参画、プロフェッショナリズム、キャリアパスに関する講義かが実施されていましたので、学生たちはスムーズに討論に入り込めたようでした。
グループ毎にディスカッションの内容を発表するため、様々な提案がなされましたが、それぞれに興味深く、 彼らなりの視点を聞くことができました。社会的制度として、子育て支援制度の充実や休みの取りやすい環境作りを揚げたグループもあれば、周囲の協力や意識改革、コミュニケーション能力を重視したグループもあり、多様な意見が出たことに驚きました。
実際に彼らが「医療人」となるのは4ー6年後、キャリアを形成しながら「家庭人」(両親の介護等も含め)に なるのは、もう少し先かもしれません。しかし、このような授業を一度でも受講し、キャリアパスにおける問題について早くから意識することは、非常に意義深いことだと思います。多職種で形成される医療という現場は、たただでさえ忙しく、ミスの許されない現場だからこそ、同僚や患者の抱える問題やその背景までを推察できる医療人を育てることが重要だと感じました。
(文責 中田 健)